堺の開口(あきぐち)神社。

堺は古くは、摂津・和泉・河内の

三つの国に隣接した町であった。

 

大小路と開口神社

江戸時代。

文久3年の堺の地図による。

 

 

         文久3(1863)年の堺の地図(←北。南→)

 

紀州街道(大道筋)と交差する東西

の大小路。

大小路の北は摂津国住吉郡北荘で、

南は和泉国大鳥郡南荘で、堺の氏

神は南北にわかれる。

堺北荘(摂津国住吉郡)は菅原神

社で、堺南荘(和泉国大鳥郡)の

氏神が開口(あきぐち)神社にな

る。

 

 

和泉国大鳥郡の開口神社(大阪府堺市堺区甲斐町東2丁1-29)

 

開口神社

開口神社の伝承による。

神功皇后(じんぐうこうごう)によ

り創建。

この地に塩土老翁神(主祭神)が祀

られる。

 

 

「摂津名所図会」(堺浦に帰朝の神功皇后)

 

 

 

 

開口(あきぐち)神社。

奈良時代には開口水門姫神社

とも称せられ、港を護る役割

をもつ。

また、最古の国道といわれる

竹内街道・高野街道の西端に

あり。

行基により念仏寺が建立され

る。

平安末期に開口村・木戸村・

原村の三社の神社が合わさり

三村宮(三村明神)とも称さ

れる。

 

 

開口神社の常夜灯(三村大神宮・住吉真言)

 

開口神社と宿院頓宮

開口神社の南側は宿院。

宿院には住吉大祭の神輿の御

旅所、宿院頓宮があり。

宿院御旅所には現在、飯匙堀、

兜神社旧蹟碑、白夜の兎群像が

ある。

 

 

            宿院頓宮(堺市堺区宿院町東2丁1-6)

 

三村明神とも呼ばれる開口神社

の主祭神の祭神塩土老翁は住吉

神社三神のひとつで、住吉神社

と関係が深い開口神社。

 

住吉大社神事では宿院頓宮との

通り筋。

 

 

開口神社

念仏寺(住吉真言・真言宗)の

通称が「大寺(おおてら)」で、

明治に神仏分離令で廃寺になる。

今も「大寺さん」と呼ばれる。

境内は、かつての堺市役所の地

で、大阪府立三国ヶ丘・泉陽高

等学校、堺市立第一幼稚園など

が置かれる。

開口神社は昭和20年の大阪大空

襲で焼失。

現在の社殿は、昭和36(1961)

年に再建。

 

 

 

2020.9.30

堺の遊女地獄(高須)ー新大阪物語(886)