以下、yomi Dr. 様 より引用させていただきました。

ありがとうございます。


仏高齢者事情 若者と一つ屋根の下

 フランスでは、75歳以上の男性の8割、女性の7割が、独居または夫婦のみで暮らしている。その傾向は、地方より都市部で強い。そんな都会の高齢者支援策として「世代間同居」という新しい試みが始まっている。
 パリ郊外。伝統的な焼き物の産地としても知られるセーブルの閑静な住宅地に、ジュヌビエーブ・ガローさん(93)の屋敷がある。

 居間でガローさんとくつろぎながら、フランス系アルジェリア人の留学生、ハムラウィ・ホシンさん(27)は、「フランスに来て2年。異国の大都会で、とても孤独だった。ここで暮らし始めて、素晴らしいフランス発見ができました」と喜びを隠さない。

  ホシンさんはアルジェリアで生まれ、大家族の中で育った。大学を卒業し技師になった後、電子工学とロボット工学で博士号を取るため、パリ郊外のベルサイユ 大大学院に進学。下宿を希望したがかなわず、伯母の家に身を寄せていたある日、大学の掲示板で面白い名の非営利組織(NPO)の広告を目にした。

  「ブーゾアン・ドゥ・トワ協会」。トワは、二人称のトワ(toi)と屋根のトワ(toit)をかけており、「(共生する)あなたと家、両方が必要」という 意味らしい。早速問い合わせた。持ち家の空き部屋を貸したい高齢者と部屋を借りたい学生の両方を支援するために希望者を募り、双方の事情を吟味して共生の 仲介をするという。登録料を払って申し込み、ほどなくここを紹介された。2008年11月のことだ。


 孫のような青年の出現に、「6歳から暮らしてきた家なので、離れるなんて考えられなかった」と言うガローさんも大喜び。家業の花屋で働き、両親の死 後は夫とともに店を切り盛りしながら、1女4男を育てた。「孫も7人。30年前に夫が旅立った後も、ここで、家族の誰かが一緒でした」と流れるように話 す。

 車で20分ほどのところに住み、頻繁に訪れる三男の嫁、シルビーさんは、「持ち前の性格でしょうか、義母は知り合いや留学生も始終預 かっていましたが、トラブルは皆無。でも、1人でいることが増えた時、転んで歩行困難になってしまったのです」と、共生に至った経緯を説明する。

 共生には、学生が払う家賃と夜間滞在時間(時間内の食器洗いなどの家事含む)に応じて三つのタイプがある。ホシンさんのような「家賃は免除、毎晩在宅」のほか、「わずかの家賃を払うが夜は時に不在でもよい」「もう少し家賃を払うが夜の在宅は免除」がある。

 二人はほぼ毎日、夕食を一緒にとる。学生に介護の義務はないが、家族介護の経験があり、介護施設でアルバイトもしているホシンさんは、自発的に食事介助なども買って出る。「彼が住んでくれて本当に安心しました。人の(きずな)ほど素晴らしいものはないですね」とシルビーさんが言う。


 パリ周辺で世代間共生を仲介するこうした非営利組織は近年目立っており、既に4、5組織が活動中。双方の状況と希望を調査・検討して引き合わせるからトラブルは少なく、問題が起きても協会が間に入るので利用者には好評だ。

 「高齢者など社会的弱者を支援するための絆作りの機運が欧州全体で高まっている」とパリ17区の助役、アタナーズ・ペリファンさんは言う。2007年に欧州連合(EU)の共通政策となった「隣人祭り」の発起人として知られる人物だ。「原点は、03年夏の猛暑。フランスだけで1万5000人の高齢者らが亡くなった。行き過ぎた個人主義への反省から人々は立ち上がったのです」

 日本でも独居や夫婦のみ世帯は増えており、見守りや孤独解消も盛り込んだフランスの取り組みには学ぶべきところがありそうだ。



東京での単身赴任生活。


4年余りの間、こちらで居も移ったが


お恥ずかしいことに


以前も現在も、隣人の顔すら存じ上げない。



敢えて無理に干渉することも無かろう。


しかし


せめて最低限の 「共生」 は心掛けるべきであろう・・・





佐藤 一司 の 『 介護・有料老人ホームご入居相談日記 』 border=