以下、yomi Dr. 様より引用させていただきました。

ありがとうございます。

米の手法「バリデーション」

認知症の高齢者との接し方に、介護職員や家族は悩むことが多い。「バリデーション」と呼ばれるコミュニケーション方法は、共感することで、高齢者の自尊心の回復や不安の軽減を図るとともに、介護者自身も前向きの気持ちを持てるという。実践の現場を訪ねた。
岡山県笠岡市のグループホーム「炉端の家」。思い詰めたような表情の女性(94)のそばに、介護職員の中井慎一さん(31)が寄り添い、目を見つめながら語りかける。「一番気兼ねなく暮らせるのはどこじゃろ」

 女性が「(出身の)島。みんな優しいから」と返す。「一番つらいことは」。今度は「島に帰るのがつらい。みんなが笑うから」の答え。
「悲しいことばっかりじゃな」と水を向けると、「いいことちっともない。行くところもない」。中井さんがすかさず「ここで休めばいい。布団もある」と促す。「すんません。ありがとう」。涙ぐむ女性は、そう言ってベッドに横になった。

 筋の通らない会話だが、中井さんは「言葉の裏に隠された欲求や感情をつかもうと試みます。だれかに愛されたい気持ちだと感じた」と話す。

  バリデーションは1980年ごろまでに、米国の介護現場から生み出された手法。欧米などの3万か所以上の施設で採用されている。中井さんは米国に本部があ る「公認日本バリデーション協会」の講座を受講。約1年間、テクニック=別表=などの実習を重ね、「バリデーション・ワーカー」に認定された。2003年 11月の養成開始以来、認定者は118人を数える。

 愛知県蒲郡市の特別養護老人ホーム「蒲郡眺海園」の介護職員、村田幸彦さん(28)も その一人。以前は、食事の準備で忙しい夕方、入所者から「家に帰りたい」と訴えられると、「電車が止まっていますよ」とごまかしていた。「友人にそんなウ ソはつかない。日常とのギャップに限界を感じました」と振り返る。

 バリデーションを習得後、「帰りたいんですね」と、その思いに耳を傾けるようにした結果、帰宅願望の裏には、家族を心配する気持ちがあるとわかったそうだ。「話をよく聞いてくれたと感謝されて信頼関係を築けた」と語る。

  この手法は在宅介護の家族の支えにもなる。大分県別府市の大野壽美枝さん(54)は、全盲の母親(86)が「暗いけん、わからん、暗いけん、わからん」と 繰り返すため、以前は「目が悪いけん、仕方ないよ」と納得させようとしていた。今は「ここにおるけん。一人じゃないよ」と、母の手を握りしめる。母親の口 調は「おってくれるから、ありがたい」と和らいだものに変わった。

 大野さんは「母の言動ばかりに目を奪われ、不安感にまで思いが至らなかった。“認知症の人”ではなく、私の母ちゃんなんだ、そう思えて気が楽になった」と打ち明ける。

 認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子さんは「人をありのまま受け止めることの大切さはわかっているつもりでも、介護する日々の生活の中で、その心構えを貫くことは難しい。この方法を通じ、その難しさを乗り越えていく人たちが着実に育っている」と評価している。


バリデーションのテクニックの一部
・共感を持って、相手の言うことを繰り返す。
・感情の発散を手助けするため、「最もつらいことは?」などと極端な表現を使う。
・相手と同じ目の高さで、目を見つめる。
・はっきりした、低い、優しい声で話すと、相手は安心する。
・相手の感情の動きを感じ取り、声の調子や感情を相手の感情に合わせる。
◆詳細は公認日本バリデーション協会((電)022・343・0117)のホームページ(http://www.clc-japan.com/validation/ )参照。


先日、お客様が入院先の病院から某施設に体験入居。

軽度の認知症ではあるが、ご本人様は意志を明確に固持なさる。


ご本人様の意志とは・・・

ご親族のご意向により一旦、施設に体験入居をすることになられたが

体験入居終了後、いま一度、ご自宅での生活にチャレンジをなさりたいということ。

もちろん、不安もお有りです。


しかし、その願望は揺るぎないものであり

ご親族様も途方に暮れることとなられた。


居室にてご本人様と二人きりでお話をさせていただいた。


かかえておられる病状と生活環境から鑑みて

お近くに頼れるご親族がおられない中、

ご自宅でお一人での生活は危険極まりないという現実を再度お伝えしたところ

そのことに対しては十二分に理解はなさっておられる。

しかし、それでも最後にもう一度チャレンジして

それでも限界を感じた時には施設への入居を決断なさるとのお考え。


強引にご本人様の安全確保を図るべきか

それとも

確固たるご本人様の願望の尊重をすべきなのか


ご親族さまとお話し合いを重ねた結果

途方に暮れたご親族様は

後者を選択された。


ご本人様の願望は危険極まりないが

ご本人様の願望は 「死」 ではない。


そうである以上

お独りで在宅にて死を迎えていただくわけにはいかない。


ご親族様には

日々の安否確認とコミュニケーションをお願いさせていただいた。


それぞれのケースに於いて

ご親族間の軋轢や確執は大なり小なり存在いたします。


しかし

コミュニケーションとは決してテクニックだけではない。


大切なのは血の繋がり

そして、心の繋がりではないでしょうか・・・・・





KAZU の 『なんでやねん!? 関東平野!!』