真空管バッファー付 USB-DAC アンプの製作 | WESTHILLS/SAPPORO

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札幌から真空管アンプの製作とビンテージオーディオ機器の話

真空管バッファーアンプ付USB-DACのニーズがあるので試しに作って見てほしいとオーディオ店主からの依頼で製作しました。最近はスマホからYouTube音楽を聴く人が増えた、とのことです。確かにYouTubeのハイレゾ音源は非常に良い音がします、私も時々、使うことがあります。

 

そのような訳で過去、本機のような真空管バッファーアンプ付USB-DACを、デザイン違いで10台以上を製作しています。

 

私の技術からしてDACのICから基板を起こして製作することは到底無理なことなので出来上がっているDAC基板を使用することになります。

 

 

使用したUSB-DACはFXオーディオのFX-04J+です、ICはESS Technology社のES9018K2Mです。最大24bit/96KHzとなっているようです。画面中央上部にあるのがDACです。

 

このDACは電源をUSBで相手側から受けるUSBバスパワー駆動です、普通のノートPCでは良いのですがスマホでは別電源を用意する必要があります。本機もDAC基板の電源は準備していませんので、スマホの場合は電源供給型のハブなどを準備して使う必要があります。

 

いつもの通り、CADで部品配置を作り、型紙から部品基板(ベーク板2t)を製作しました。

 

主な部品になります、シャーシーは使い慣れているタカチ HY88-33-23BBを使いました。部品を乗せるサブシャーシーは工場にお願いしてレーザーカットで作っていただきました。鉄板1.6tです、なるべくナットを使わないようにするために自分でタップをたてています。組み立てもし易いですし、コストも下げられます。最後に防錆剤をスプレーを塗布し、仕上げています。

電源トランスは東栄変成器さんのPB-35Bを使っています、安価でダイオード整流にぴったりのトランスになります。信号ラインもある程度、電圧があり、ゲインも低いので誘導ノイズは皆無です。

真空管ソケットは十分信頼のおけるメーカーを使いたいものです、またシールドが使えるものを使うように心がけています。

 

 

回路は12AU7のSRPPで帰還をかけています、利得は2.2倍程度になりました。

 

部品はシャーシーに入れる前にできるだけサブシャーシーに取り付けを済ませておきます、部品の取り付け前に配線は終えてしまう方がスッキリと出来上がります。配線材は私は細目の物を、すわりの良い物を選んでいます。

配線時はマスキングテープでワイヤーを留て、接着剤で固定しています、ワイヤーが暴れるのを防ぐようにしているのです。

 

黒アルマイトシャーシーパネルを作業時の擦り傷から守るため、マスキングテープを貼って作業します。綺麗なパネルに傷が付くと幻滅しますので注意したいものです。

 

今回、カップリングコンデンサーはシーメンス社の 250V2.2μF MPコンを使ったのですが、アンプに接続してセレクタを回すとプツンとノイズが出るではないですが。調べて見ると、このコンデンサからDC2.4Vほどリークしていることが分り、依頼されたショップの主人と打ち合わせて、ブラックキャット MPKにすることにしました。古い部品は使用前に事前のチェックが必要ですね。