過去と現実の2 | 幻想の自業人

過去と現実の2

幼い俺に母が、ねぇ仁、仁は大きくなったら何になりたい。

有りふれた会話有りふれた親の問い掛け、どの時代もどの世界でも同じ事の繰り返しだろうと思われる!

でも俺は何と答えられなかった。

今なら・今だから言える事ばかり、当時の俺は《うるさい》と一言!発し何って何よと考えていた。

政治家だって国民だ!
医者だって患者だ!
教師だって人生の生徒だ!

と考えている内に一度の人生に夢を観れない哀れな心に今ならムカツク!

何故ムカツクのだろう!
俺の歩んで来た人生を否定する訳じゃない・後悔している訳じゃない。

でも夢観る事が出来たなら同じ道を歩んでいても目指すものは他にもあったであろう。

今、周囲の誰かに聞かれるのが、もう一度人生をやり直せたら何歳に戻りたいか?

俺は別にやり直しも戻りたくもないと答えている。
何故・それは不可能な事だから。

やはり俺は今も昔も変わらない夢観る事が出来ない!

物事を現実にしか考えられないロマンすらないと改めて自分を知る・そんな俺は今に成り過去の俺に鳴く。
俺には、これしか無いんだ、だから、これをするんだ・この道を進むんだ、と言えるものがなかった!

そして俺は【む】の一文字が何故必要かを知る!