今日は俳句。
日本には季節を表す美しい言葉がある。
仲春【お水取り】
奈良東大寺二月堂における修二会の行のひとつ。
三月十二日深夜、堂近くの閼伽井から
香水を汲み本尊の十一面観音に供える。
この水は、天平時代より遠敷明神が
若狭から送り届けるという時空を超えた霊水。
これを中心に堂内外ではさまざまな
祈の行法がある。これが終わると
奈良に本格的な春が訪れる。
【子季語】
水取
【関連季語】
修二会、若狭のお水送り
【例句】
水取りや氷の僧の沓の音・芭蕉
沓の音水の音しぬ二月堂・大魯
しら梅や若狭の水に夜の声・松瀬青々
煤あびて我も籠人お水取り・長谷川櫂
昨日は奈良の二月堂の
お水取りの最終日。
練行衆が火天や水天に扮し
二月堂内の暗闇の中で松明を燃やし
行われる達陀(だったん)の行法を見てきました。
夜空を焦がす松明が
厳かで神秘的で
見ているだけで心が浄化されていくようでした。