杉本健吉 模写「当夜初夜上堂」
東大寺二月堂にて3月に行われる
「お水取り」の行事とは
仏の前で罪過を懺悔することであり、
心身を清めた僧(練行衆)が二月堂本尊の十一面観音の前で
宝号を唱え、
荒行によって懺悔し、あわせて天下安穏などを祈願する。
この行事は「修二会」とも呼ばれていて
お水取りの通称は、
東大寺領であった若狭の荘園から水を運搬して来たことに由来する。 古代には、天災や反乱などの国家的な災いは
「国家の病気」によるものと考えられ、
その病気を取り除く十一面悔過は国家的な宗教行事であり、
「不退の行法」として引き継がれている。
杉本健吉画伯は
墨で描いた「修二会」の風景をたくさんの絵を残している。
二月堂の階段を
お松明の長い竹が一段一段上がって行く
緊張感がこちらにも伝わってくるようである。