やけに暑い太陽。

まぶしい日差しの奥に

白い球を追いかける姿。

グランドに立つと

懐かしい思い出がよみがえる。

もう、遠い遠い記憶。


夏休み

部活で学校外周のランニング。

腹筋、腕立て、素振り。

先輩の球拾いをしながら

他の部を盗み見してた。


名前もよく知らなくて苗字だけ。


近くを通るときに

どきどきしながら

友達と話してる会話に耳を傾けていた。

その自然な笑顔がとても優しくて。


声もかけられずに

ずっと遠くから見てた。

今はもう、その苗字さえも、笑顔さえもぼやけているけれど




あの頃の

私たちのように

どきどきしながら

遠くから視線を送っている女の子を見つけたとき


昔の自分に会えた気がした。


その、どきどきが伝わってきて

ちょっと羨ましくなった。