今回は新生児マススクリーニングについて説明します。新生児マススクリーニングは生後4~6日の新生児の踵から採血をして先天性代謝異常や先天性内分泌疾患を調べる検査です。対象となる疾患はアミノ酸代謝異常であるフェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症があり糖代謝異常ではガラストース血症、内分泌異常ではクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)と先天性副腎過形成症が対象となります。

フェニルケトン尿症はフェニルアラニンが増殖し多量のフェニルビルビン酸が排泄されます。治療では低フェニルアラニン食という食事療法となります。治療しないと知能発達障害や赤毛、色白など4メラニン色素欠乏症状が生じてしまいます。

ホモシスチン尿症は血中にホモシスチンやメチオニンが蓄積し大量に尿として排泄されます。治療はビタミンB6や葉酸などのビタミン食療法となります。治療しないと進行性の知的障害や骨格異常、水晶体亜脱臼、時には血栓症で死亡することもあります。

メープルシロップ尿症は分岐鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)とαーケト酸が増量し、尿や汗、唾液はメープルシロップのような甘い臭いがします。治療は特殊ミルクなど食餌療法をおこないます。治療しないと意識障害や痙攣をおこして脂肪することもあります。

ガラクトース血症はガラクトースやガラクトースー1-リン酸の代謝が障害されます。治療は特殊ミルクなど食餌療法をおこないます。治療しないと白内障や精神遅滞、時には肝障害で死亡することもあります。

クレチン症は発達に必要な甲状腺刺激ホルモンが減少や消失する病気です。治療はホルモン補充療法になります。早期に治療しないと身体や精神に発達障害が生じます。

先天性副腎過形成症は副腎皮質におけるステロイドホルモンに関与する酵素(21-水酸化酵素欠損症)が欠損や低下するために生じます。治療はホルモン補充療法と食塩投与をおこないます。治療しないと発育不良や女児の外性器の男性化がおこり、脱水などで死亡することもあります。



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