そうそう。

そうだったね。

 

あなたは背が高くて

かっこよくて

賢くて

物知りで

スポーツマンで

仕事が出来て

歌がうまくて

公の場で堂々としていて

礼儀正しくて

レディーファーストを自然に出来る。

お酒も強いし

ユーモアもある。

そして私に優しくて

 

あなたの隣を歩いている事、

ちょっと自慢だったりした。

誕生日もクリスマスもプレゼントは欠かしたことがなかったね。

私が体調を崩した時は二人でお守りを買いに行ったり…

ホントにホントに大好きだった。

 

大好きだったんだよ?

 

そうそう。

そうだった。

 

あなたは

自分が違うと思ったことは

真実なんて関係がなく

人の話を聞かなくなる。

怒り出すと徹底的で

理詰めでまくし立てたっけ。

 

初めて別れたそのあとで

悲しみに打ちひしがれていた私に

ごめんねやり直したい大事にする、と。

最後に別れたあの場所から

やり直そうなんて。

ロマンチックなムード作り。

 

理不尽な別れが辛すぎて

嫌だったことは考えず

思わずのばされた手をつかんだ。

 

嫌がることは改めると、

土下座までする人。

だけど別の日別の話題で

土下座なんて何とも思ってないと言ったね。

 

本気で怒り、私を傷つけても

謝ったら全てがチャラになると思っていたね。

前言撤回を何とも思ってない人。

そんな人の言葉をどうして信用できるというの?

許せたのは…

好きだったから。信じてみようと思ったから。

変わったのは最初だけ。

頑張ってくれてるように見えたけど、

やっぱり変わらなかったね。

 

何度かあなたのわがままを許したのは

私が悲しみに耐えられなかったから…

 

悲しみに耐えられないことが

あなたを好きな事と錯覚してた。


ホントに大好きだったから・・・

 

ホントに大好きだったのかな

そうなのかな

 

そうそう。

ホントにそうだったのかな…

 

何度も何度も自問自答して

好きか嫌いか聞かれたら好き。

嫌な面もあるけれど

決して嫌いではないと思う。


けど今は

あなたが誰と何をしていようと

興味の一つもわかない。

知りたいとも思わない。

未練のかけらもない。

もちろん恨んでもいない。

何の感情もない。

 

昔大好きだった人。ただそれだけ。

 

一つ言えるのは

もしあなたが目の前に現れて

あの時のように手を伸ばしても

私は微笑みを返してすれ違う。