四季折々に樹々や草花が見せてくれる姿に、人はそれぞれの思いを抱くのでしょう。
冬に枯れたと思っても、春には必ず咲く、花の生命力や再生する希望だったり、
命を繋ぐために、風や虫や動物を利用して種を遠くに運ぼうとする逞しさだったり、
綺麗な色や変わった形状で虫などを呼び寄せる巧みさだったり・・・
でも、植物は人の想いなどに関心は無く、ただ精一杯生きていると言えましょう。
いつもの森林植物園で、セツブンソウやバイカオウレン・セリバオウレンなどの「春の妖精」が咲いたのちも、次々に花が咲き始めました。
今年は春が暖かく、花の開花が非常に早くなっていますね。
ロックガーデンでミスミソウが咲き始めました。
花はまだ開ききっていませんが、可愛らしさに思わずシャッターを。
「つつじ・しゃくなげ園」に向かうと、早くもトサノミツバツツジが咲いていました。(3月18日)
ミツバツツジの仲間では最も早く咲きますが、32年も通っていて、これほど早く咲いたのは初めてのように思います。
ミツバツツジの色は、春らしく優美で、しかも鮮やかです。
ツツジの仲間で最も華やかなアカヤシオが咲きました。
椿の品種「赤侘助」です。
雨が止んだ後で、しっとりとした花びらが美しい!
昨年だったか見本園に手を入れられ、日当たりが良くなり、椿がよく咲くようになりました。白侘助、太郎冠者なども咲いています。
見本園を下っていくと、ウチワノキが咲いていました。
あじさい園の入口から西に入ったところですので、見逃しやすい場所です。
淡いピンクの花びらと中心の黄色い蕊(シベ)が絶妙です。
長谷池の手前のあじさい坂にたくさんのトサミズキが咲き競っていますが、2・3本だけヒュウガミズキが咲いています。
可愛い花は、ベレー帽を被った子供のように見えてしまいます。
ヒュウガミズキの木は多目的広場の周辺、あじさいの小径にもありますので、後で向かうことにしました。
長谷池から青葉トンネルに向かう道を北に少しそれるとミツマタが咲いています。
和紙の原料になる木ですが、冬の鼠色の蕾から黄色い花が咲くと、春を実感します。
長谷池の南でウグイスカグラを見つけました。
この花はナツツバキ園の北の道沿いによく咲いていますが、よく見ると先がピンクの星のようです。
多目的広場に向かいます。
アナベルの丘の向かい側にヒュウガミズキが咲いていました。
毎年この花を撮影していますので、また会えたという気持ちになります。
枯れたアナベルとメタセコイアをバックに、可愛らしい花が鈴なりです。
雨上がりの森で、春の花々を探しながら散策。
もし生きていながら仏教の浄土を見ることができるとしたら
きっとこんな花に満ちた世界のように思えます。
ここに来れば、何も考えることなく、ただ歩き回ればよい。
森の魅力に癒され、景色に溶け込んでいく感覚、
花も樹も私もおなじように生きている