開館時間になり、列が進みだして、
いよいよ入口のチケット売り場までやってきた。




入る前から、

なんかもう、すごいんですけど・・・


ウエストミンスター寺院は
ロンドンでもっとも権威ある寺院、、

なのかな?多分。

王室御用達な雰囲気で、
歴代国王たちの戴冠式が行われたり、
王族だけでなく国内の著名人たちが
たくさん眠っている場所らしい。
(いっぱい眠りすぎてて
 これ以上は入る余地がないほどらしい)


中に入ると、とにかく装飾がすっごい。
床から、遥か頭上のめちゃくちゃ高い天井まで
精巧で派手な装飾がびっしりとなされている。
彫像もたくさんある。
装飾の量が半端ない。そして豪華。
どこもかしこも飾り立てられている。
だけど色彩が落ち着いているから

全然うるさくない。
その光景に、ただもう、唖然とする。


この世の権力の全てをここに集結せよ!!!
という意気込みが感じられる。












なんかもうすごすぎて
天井の写真ばかり撮ってしまう。









だんだん何撮ればいいかよく分かんなくなってくる。
全然収まりきらない。全然感じてることに追いつかない。








戴冠式のセットも、そのままあった。





あの椅子に、ずっと昔から

歴代の王たちが座ってきたのか。
すごいな。
座ってみたいって、思っちゃうよな、やっぱり。
王になりたいとかじゃなくて

単純に
あそこに座ると何を感じるんだろう、って

興味が湧くよな。




寺院のどこかで目にした言葉が印象的だった。


"God save the King"


この国では、
神は国民ではなく、王のために存在するのか。
日本でいう現人神(あらひとがみ)的な感覚とは

違うんだろうか。
(まぁその感覚も戦後生まれの私には

 よくわからないけど。)

神が王を守る。
そして、王が民を守る、ってことなのかな。
神に守られし王か。
かっこいい。
やっぱりこの国は、かっこいい。

でも「王国」という概念が

まだよくわからないなぁ。
キリスト教とイギリス王室との関係も

わからない。


あぁぁもう、わからないことだらけだ!!!
もどかしい!!!



寺院の空気は、初めて感じるものだった。

実は私は20代の頃に
フィレンツェとバチカン市国に

行ったことがあるんだけど、
同じキリスト教の建物でも
そこの教会やなんかとは、全然違う。
イタリアはなんかもっと、こう、

なまめかしい感じ?
ひんやりと冷たいながらも

なめらかで柔らかい感じがあった気がする。
そして、特にバチカンは、

なんとなく鼻高々、みたいな雰囲気も

あったような気がする。

愚民どもめ、みたいな(笑)。
ああぁぁぁなんかすいません・・・


ここは、それとは全然違う。

権威は感じるし
思いっきり見下ろしてくるんだけど、
ドヤ感はなくて、とても硬質な感じ。
「見おろして」はいるけど

「見くだして」はいない。

荘厳。そう、厳しい感じ。
でも冷たいわけでもなくて、
それ以前にスケールが大きすぎて、
圧倒的にすごすぎるから

冷たくする必要すらないみたいな
なんか、そんな感じ。

愚民、という言葉すら発さずに
虫けらにするように
ただ指先でぴんと跳ね飛ばしてしまえるような。

なんか、例えがアレでほんとすいません・・・
極めて個人的な感想なんで・・・・





そんな私の心がいちばん波立ったのは、
「ある」を認識したときだった。


寺院の中を進むうちに、
それまでずっとおとぎ話だと思っていた、
空想の世界だと思っていたファンタジーが、

この空間には

リアルに確固として存在していることに
私はじわじわと気付いていった。


この空気感、漂う気配。
あちこちに飾られた彫刻、王たちの紋章。
ずらりと並ぶ旗。
石の床に刻まれたたくさんの文字。
薄暗い廊下とろうそく。


全部、ここにある。


おとぎ話なんかじゃなかった。
むしろ国家レベルで、
こんなにも堂々と、存在していた。


あれもある、これもある。
ある、ある、ある、の世界。


なんだ、全部本当だったんじゃん。
空想なんかじゃなかった。
なんだよイギリス人、そんなのずるいよ(笑)。
作家さんが自分で考えたんじゃなかったのか。
全部、本当にあるものだったのか。
それを物語に取り入れただけだったのか。
なんだよ、もう!
なんて嬉しい現実なんだ!!!

スタッフの衣装だって
物語からそのまま出てきたみたいなやつだし。
これがリアルな装備だったんじゃん。
なんだよ、早く言ってよ。


おとぎの国は本当にあったんだ。
こっちが現実だったんだ。


この世界観こそが

この国のリアルな歴史だったなんて。


嬉しくて、嬉しくて、
子ども時代の自分の全てが

報われたような気がした。







これは比較的新しいもの。


ハリー・ポッターのパクり、じゃなくて、こっちが元祖。





広い寺院の中をぐるぐると
迷子になりそうなほど歩き回り
途中ですてきなお庭に出たりもしながら、
ようやく出口にたどりついた。



めっちゃかわいいお庭だった!



最後に、出口の横のおみやげ屋さんで

新国王の即位記念のチョコを買った。
イギリスの新しい王、King Charles Ⅲ。

これからこの国に

どんな素晴らしい未来が訪れるんだろうね。
 



つづく。




めっさおいしい!ヨーロッパのチョコ大好き!