8年前に訪れた野付半島ネイチャーセンターのテラスである年配の男性が「この景色も
いずれ無くなるのだろうな」と言っていたのがずーっと気になっていてついに来ました。
しかし、そこにはトドワラも木製の橋歩道も無く、ただ荒野が広がっているだけでしたね。
幸いにも小鹿が一頭いて餌でも探しているようにも見えたので救われた気もします。
荒涼とした荒野というのに相応しいのですが、トドワラがあった頃はまだ救いがあった
ように思われました。
まだ止められるというような救いが・・・・・
しかしながら宮崎駿さんではないけど、地球消滅時計のカウントダウンが残りゼロ秒に
なっているのを感じてしまった。
ネイチャーセンター手前にも見どころがあります。
ここもなんか木々が遠くなったようにも思えました
本当に無になっていくようで、何の感情も湧かなくなってきましたね。
昔は道産子の馬そりで回っていたのが、馬も亡くなり今ではトラクターで周遊していました。
これまた若かりしライダーの時にYとツーリングした時の写真にはトドワラが多く
あったけど、その頃からからトドワラはいずれ無くなると聞いていました。
昔はまだトドワラがあるからか救いがあったようですね。
きたやまおさむ(北山修さん)は一世を風靡したフォークルセダーズでメンバーのひとりでした。
「戦争を知らない子供たち」「あの素晴らしい愛をもう一度」や「白い色は恋人の色」「さらば恋人」
など数々のヒット曲の作詞家でもあり精神分析学の権威でもあります。
当時の私には医大生でシンガーの北山修さんは尊敬するパーソナリティーでした。
道東の旅から帰ってしばらくして書店の本棚でぱっと目にした彼の本「むなしさ」の味わい方。
迷わずに買って帰りイッキに読んで最後のぺージをめくってびっくり、そこには野付半島のトドワラ
のことが書かれていました。
50年前にご本人がみた景色が「この世の果て」にふさわしいだろうと思って調べた最近の写真を見て
泣いたという。
やはり喪失感だと書いてありました。