光合成をやめた植物・・・ギンリョウソウ
7月7日は、言わずと知れた”七夕”
七夕の夜に、願いごとを書いた短冊や飾りを笹の葉につるし、星にお祈りをする、古くから行われている日本のお祭り
各地でお祭りが開催され、街は大賑わいですよね
ちあいの地元でも古くから開催されている”七夕まつり”がすでに始まってます
久しぶりに七夕の飾りで彩られた街に出歩いてみようかな~~~
そんな七夕の日ですが、ちあいの地元は天気は晴れてお星さまが見れそうで良かったのですが・・・
気温が、まだ7月上旬なのに”夏日”を越えて”猛暑日”になりそうな勢い
この先、本格的な夏になったら、想像するだけで恐ろしいです。
暑さ対策は、本当に急務ですね
薄暗い森林の中を歩いていると、落葉の中から真っ白な花が咲いてました
真っ白といっても少し透き通った感じで、なんか異質な感じがあって、ちょっと不気味な感じにも見えます。
薄暗い森林の中だから、よけいに不気味に感じますね
ギンリョウソウ(学名:Monotropastrum humile)
日本全国の森林のやや湿り気のある場所で見られる植物
国外では、朝鮮半島、中国、台湾、インドシナ、ビルマ、ヒマラヤなどなど、広く範囲で見られます。
植物といえば緑色が基本ですが、この植物は植物とは思えないほどの全身真っ白
まるでビニールやプラスチックで作られた造花のようにも見えてしまいました
この植物は”光合成をやめた植物”と呼ばれ、葉緑体をもたないために全身真っ白になって植物です。
植物の高さも光を必要としないためか、それほど高くなく20cm程度で、落葉の中からやっと花が出て来た程度高さ。
光合成をしないため、大きな葉は必要としないので、葉は退化して出来た鱗状の葉(鱗片葉)が、茎の周りについています。
花期は4月から8月ごろに地下から花茎が伸びてきて咲きます。
花は花茎1本に一輪の花をつけ、茎の先に横向きからややうつむき方向に咲きます。
花の先端に見えるのが、キノコ状でやや広がり、縁が青みを帯びた雌しべです。
雌しべを囲むように10本の雄しべが、筒状に囲まれた花弁の中にあります。
花が咲くとマルハナバチがやって来て受粉の手助けをしてくれます。
受粉が無事に終わると地上の植物体は黒く変色し、直径1cm程度の実を付けます。
実の中には、果肉と微小な種が約1,000個程が詰まっています。
実の皮はかなり硬くて、普通には割れたりはしません。
こんな実なので他の生き物が食べない限りは種が取り出せません。
普通なら、小鳥だったりネズミだったりが食べたりして、糞と一緒に排出され種子散布に利用されます。
しかしギンリョウソウの場合は、森に棲むモリチャバネゴキブリというゴキブリが食べて、
糞と一緒に種を排出し種子散布に利用しているそうです。
種子散布に、昆虫を利用するなんて、なかなか珍しいですね~~~
そして、光合成をしないとなると、栄養はどこから吸収しているのでしょうか
地球上の植物の約80%の種類は地下の根や茎に菌類を共生させています。
植物は光合成で得た栄養の一部を共生させている菌類に分けていて、
その代わりに菌類は植物が生長に欠かせない窒素とリンを分け与えるといった”相利共生”の関係となっています。
しかしギンリョウソウなどの光合成ができない植物は、共生している菌類などから一方的に栄養を奪い取ってます。
ギンリョウソウのように植物を”菌従属栄養植物”と言われています。
”菌従属栄養植物”は、全世界の熱帯から亜熱帯の湿り気のある地域で約530種が知られ、
日本では約70種が知られていて、世界的に見ても”菌従属栄養植物”が多い地域の一つだそうです。
ちなみに、ギンリョウソウって名前は、
植物全体が白色で、その姿かたちを竜にみたて”銀竜草(ギンリョウソウ)”の名がつけられたそうですよ
今の季節、湿った森林内を歩いていると、普通に見ることが出来ます。
ちあいも、今回入った山の中で数多くのギンリョウソウを見ることが出来ました。
もし森林を歩く時に、足元にも注意していれば、真っ白なギンリョウソウが落葉の中から顔を出しているかもしれません。
薄暗い森林内で真っ白なギンリョウソウが目立って見えますから、見つけるのは簡単ですよ
見つけたら、じっくり観察してみてはいかかですか
では、またね