作者の岩木一麻さんは
「がん消滅の罠 完全寛解の謎」で、2017年「このミステリーがすごい!」大賞を受賞されました。
とても面白かったので、次作を待ちわびていました
『時限感染 殺戮のマトリョーシカ』
岩木一麻
【ヘルペスウイルスの研究者が首なし死体となって発見された。現場には寒天状の謎の物質と、バイオテロを予告する犯行声明が残されていた。猟奇事件にいきり立つ捜査陣であったが、彼らを嘲笑うように、犯人からの声明文はテレビ局にも届けられる。社会が生物兵器の脅威に晒される中、早期解決を図るべく、捜査一課のキレ者変人刑事・鎌木は、下谷署の桐生とともに犯人の手がかりを追いかけるがー。】
興味をそそられるタイトル
サブタイトルの「殺戮のマトリョーシカ」にもゾクゾク
ロシアのマトリョーシカ、可愛いですよね
大きな人形の中から次々と小さな人形が出てくる。
ところが、物語中のマトリョーシカは生物兵器。
恐怖以外のなにものでもない!
そこに込められる思いとは、なんだろう?
多くの人の命が奪われてしまうのか?
まさか…
時限爆弾のような恐怖を感じながら読み進めると…
結末は意外だった。
動機がね…グッとくるけれど、そこなの!?
とはいえ、世の中を混乱に陥れた罪は重大だ。
医学や科学が日々進化する中
バイオテロは今の世でもじゅうぶん起こり得る。
医療の進化に携わるのは感情のある人間です。
一歩間違えたら凶器に変わるという危うさもはらむ。
そんな警鐘と共に、新薬開発などの医療の現実を突きつけられる作品です。
面白くサクサクと読めました