書こうと思いつつ書いてなかったことがありました。
温泉。
昨年12月に、息子の大学合格祝いとAC療法終了記念(?)を兼ねて一泊の温泉旅行に行ってきました。私は左胸を全摘出しているので傷痕ざっくり、とても人様に見せられるようなカラダではないので、「露天風呂つき客室」がある宿を予約しました。これなら気兼ねなく温泉入り放題。昔から温泉好きなのでとても楽しみに現地に向かいました。

某有名温泉地の、これまた有名な宿。CMソングを耳にしたことがある人も多いはず。案内された部屋は広く、客室の一角の露天風呂もとてもいい雰囲気。即、入りましたよ。私以外の家族は併設の温水プールに遊びに行きましたから、一人でゆっくりまったり入浴。なんて贅沢なひととき。

でも。
夜になり、食事をして卓球をして(笑)という温泉宿のオーソドックスな時間を過ごしていましたが、やはり大浴場にも行きたくなってきた。せっかく温泉宿に来ているのに大浴場を楽しまないなんてもったいない。それに、娘は一人では大浴場に行くのはイヤだというし、小3にもなって男性風呂には行かせられない。あれこれ考えているうち「行ってみるか!」という結論に達しました。数百名泊まれる宿なのでかなり大きい大浴場だし、隠して入れば大丈夫でしょう。娘を誘ったらとても嬉しそうでした。

時間がよかったのかあまり混雑しておらずラッキー。脱衣所でササッと脱いでタオルを縦にぺろーんとぶら下げカラダは全て隠します。胸はもちろん、下の毛がないのは実はとても恥ずかしいのです。頭はヅラ着用のままです。浴場ではタオルで隠す人、全く隠さない人様々なので特に目立つこともありません。最近の洗い場は1ヶ所ずつ両壁で区切られていて隣が見えなくなっています。そのお陰で人目を気にせず体を洗うことができ、またタオルで隠していざ湯船へ。さすがにいろいろな種類の湯船があります。テンション上がるぞ!お湯に入る瞬間にサッとタオルを取り、出るときにまたタオルで隠す。これを繰り返し全ての湯船を制覇しました。内風呂しかり、露天風呂しかり。あー、やっぱり楽しいな、温泉。風呂あがりは休憩ブースで浴衣で冷たいお茶をゴクゴク。満喫いたしましたよ、大浴場。

翌朝、早起きして部屋の露天風呂へ。滞在中4回目のお風呂です。温泉の禁忌に「悪性腫瘍」とよく聞きますが、なぜガン患者が温泉を避けた方がいいのか理由は明確ではありません。お湯を介して他人にうつる病ではありませんし、悪化するとも思えません。リラックスできていいじゃないか!ストレス解消されるじゃないか!と思いながら過ごした時間でした。

結局、人はわりと他人には無関心。裸どうし、あまりジロジロお互いを見るということはないことが改めてよくわかりました。以前、胸の傷を隠そうともしないで堂々と温泉に入っているご婦人を見たことがあります。恥ずかしいかどうかは本人次第。ガンに勝った勲章となるやもしれません。私もいずれああなれるかもな。

味をしめた私は、年明けお正月に実家そばの日帰り温泉にも行ってきました。まだまだ片胸初心者の私は、また今回もタオルぺろーん状態でこそこそと入りましたけどね。