二番目に古い記憶
 夜起きたら大雨だった。否起こされたら大雨だった。暫くは事情が分からずキョトンとしていたが、やっと分かった。
家の中だった。家の中なのに大雨。つまり雨漏りが超激しかった。それで親子三人ムシロを巻き、抱き合っていた。

記憶では、そのままの姿勢で朝を待ったようだ。父は普段夜勤で留守だったが、その日は台風のため家にいたようだ。

何故か、翌日の記憶はおぼろげながらあった。台風一過とはよく言ったものだ。曇り空であったが、家の前や広場はやけにスッキリしていた。
あの頃の家は良くてセメント瓦家。普通がトタン葺き。我が家は何と茅葺きであった。
  記憶によれば3歳頃か。ネットで調べても、あまり該当するような大きな台風はない。その後有名な宮古島台風があって、何と風速80メートル近く吹いたという。
 母方の実家は、あの頃からセメント瓦屋だった。台風被害さえ聞いたことはなかった。
セメント瓦は文字通り瓦がセメント出来ていて、比較的丈夫だったという。
最近訪ねてみたら、屋根が瓦に変わっていた。はやりのスペイン瓦風であった。築60年にもなろうか。その割には柱が丈夫で、釘は全く使用していない。リフォームして、住居兼カフェにでもという話だった。
 その後徐々にセメント屋に変わっていった。復帰前でも半数がセメント屋の記憶がある。
復帰前のセメント平屋の相場が、凡そ3,000ドル。公務員の初任給が40ドルの時代である。 今の相場で言えば、2千万円前後であろう。