在庫が多い、購買は在庫管理ができてい無い、と言われる。多い、とか高い、というのは何かと比較して言って初めて意味がある言葉だ。170センチという身長は日本人の成人女子としてはまあまあ高めであるが男子のサッカー選手としては低め。海外の基準で見ればちびっこである。「昨年の同時期にくらべて1割増加しているから多い」というのならわかる。しかし昨年の同時期に比べて販売予定はどう変化しているのか?によっては「多すぎる(から減らせ)」という単純な判断はできない、むしろ今後の販売予測を考慮すれば少なすぎるから今は在庫を積む、のが作戦として正しいこともありうる。なぜこのような物言いを車内に許すことになるのかといえば、「在庫計画」が無いことに尽きる。これこれの販売予測の元、これこれの資材調達状況を考慮し、当社の資金状況を考慮し、在庫のあるべき数量はこれこれである、これが在庫計画である、という理論武装ができていないからである。むろん環境はつねに変化する。戦況は日々移り変わる。 この条件がこう変化したので在庫計画はこのように変更する、とういうアップデートは常に必要だ。その上で「先月の販売予測がまったく外れたため在庫計画が達成できない、どうしてくれる?」という関係各所への「攻撃」が必要になる。これは購買部、あるいはサプライチェーン部の活動やモチベーションを守るという局所的な理由で言うのではなく、最終的には会社あるいはグループ全体の生き死にを左右することになる可能性があるからあえて強調させていただきたいのだ。