あさのますみ
「逝ってしまった君へ」



著者は、声優でライター。
逝ってしまったのは、元の恋人。
40代前半だった。
2019年1月の松が明けるか明けない頃。

きっかけは、会社での昇進。
普通はおめでたいことなのに、
当人は、負えない重荷と感じた。
鬱状態に陥り、必死に戦ったことが読み取れる。
著者は、亡き人への気持ちを
手紙風に綴ってブログに載せた。

それが編集者の目に留まり、出版へ。

故人は、医師にかかることと投薬されることに
ためらい、自力で鬱を乗り越えようと葛藤した。

 

私の娘の場合、過剰投薬だと思う。
そもそも医者自身が分かっていない。
「飲んでもらわなければ分からない」

と言うのが本音なのだろうが、
患者の前でそう言う医師はいないだろうな。

 

あさのさんは、葬儀にも出、遺品整理にも
協力し、墓参りにも行った。

そのすべてを綴った。

 

感想文をここに載せたのは、
友人としての真心に打たれたから。
出版には、遺族の了承も得ているという。

小学館  1500円
2021年7月 第一刷 発売