家族信託。色々な活用方法があります。それができるようになったのは、任意規定化されたことが主な理由ですが、連続信託や遺言代用信託等が定められ、多様なニ-ズに対応することができる事その理由です。

 

その一つとして、福祉型信託と呼ばれるものがあります。高齢者で健康面に心配な方が親族にいたり、財産管理ができない親族や障害者の子供がいるような場合に使われる信託です。

 

財産所有者が委託者で、受託者が子供、受益者が委託者か配偶者、というスキ-ムです。財産状況や親族関係等に応じて様々な契約内容になることが考えられます。この点では信託契約は、オ-ダメイドです。それなので、その設計には委託者の想いを実現するために想像力が必要になると同時に、いかに法律的に有効なものにして、信託目的を達成するか、ということが大切になってきます。

 

このように信託契約を設計していくわけですが、福祉関係の方との連携や任意後見人制度の採用も考えておかないといけません。というのも、信託契約で規定できないものとして、身上監護という生活の介護的なものがあるからです。信託が財産の管理・売却・承継という財産関係の領域に関する契約なので、ある意味当然なのかもしれません。

 

福祉関係の方との連携に関しては、委任契約が想定できます。任意後見人制度を採用しておけば、その実施には留保条件をつけるとして、後見制度開始前に信託契約をして、両者の権限の適切な配分ができることになり、この段階であれば、フレキシブルな信託の設計ができ、財産の有効な活用と身上監護の双方に配慮した適切な契約に仕上げることが可能です。

 

子供が障害者や体等が弱い場合。子供さんの将来の生活を案じるのは当然でしょう。このような場合に、たとえば、受託者を父、第二次受託者をお兄さんにして、受益者は、父と弟というスキ-ムにしておけば、親としての心配をかなり払拭できることになります。お兄さんがいないような場合は、たとえば、社会福祉法人にして、対応することもできます。そうすれば、財産について、身上監護についても同時に測れることになります。

 

受託者を自己にして、受益者を障害者の息子さんという信託も考えられます。自己信託と言います。第二次受託者を社会福祉法人にするような信託規定にしておくということによっても、息子さんの生活の心配を回避できます。ただ、契約内容等を慎重に定めないといけません、特にこの場合は。と同時に受益者代理人を選任するのが、ベストだと思いますが、少なくとも信託監督人の設置は不可欠だと思います。

 

来月も信託セミナー&個別相談会やります。5日は麹町会館、20日は、武蔵野商工会館で、ともに14時からです。お父さんたちが高齢で認知症になったらどうしようかだとか、子供さんが障害を抱えているといったお悩みやをお持ちの方ご参加ください。

 

  一般社団法人家族信託・空き家協議会
http://www.yasu-tax.com/akiya/akiya-sos.html


中小企業のホームドクター安村税理士オフィス
中小企業のホームドクター安村税理士オフィス
http://yasu-tax.com