明日はどこだ?
令和に入って6年半、平成と違う社会に移行しつつあり、このの時代というものがおぼろげながら見えてき始めた。60も半ばになってくるとなかなかわくわくする何かに出会うことが少なくなってくる。それでも最近これは面白いと感じたものがいくつかある。まずは東京工業大学教授奈良林直のミューオン粒子による放射性物質の無害化の研究。これはとても素晴らしい。実験室ベースではすでに実証されている。これにより福島の核廃棄物の処理が想像以上早くできそうだ。またミューオン粒子を利用することにより核融合も可能とのこと。未来の展望が一気に明るくなりそうだ。詳しくはユーチューブの「加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル」で。次は何といっても高市早苗総理大臣の誕生である。総理が変わるだけで社会の様相がこんなにも変わるのかと新鮮な驚きだ。株価は5万円を突破し、いつもは仏頂面の米トランプ大統領をにやけ顔にさせた。1年間をつくづく無駄にしたものだと思う。少数与党として運営が厳しいものとなるが、高市総理には難関を何とか切り抜けて長期政権を目指してもらいたい。彼女の活躍次第では2番目の女性総理の誕生も遠くないだろう。次は、ちまたで話題の「銀河特急ミルキーサブウェイ」。これが素直に面白い。29歳の新人クリエイター亀山陽平によって製作されたCGアニメである。1話3分半のショートストーリーを全12話構成で1篇の物語に作り上げているところが素晴らしい。タイパが重視される現代社会を十分に意識したアニメの革新的なフォーマットと言える。それを可能にしたのは亀山ひとりによる製作に負うところが大きい。一人の男の熱い思いの結晶である。今年の日本アカデミー賞作品賞を受賞した「侍タイムスリッパ―」も安田淳一という一人の男の時代劇への熱い思いによってつくられた作品だ。このことを考えると既存のシステムを破壊するほどの個々人の熱い思いというものが令和時代のキーワードになってくるのではないだろうか。政治の世界においても熱い志を持った人たちが出てきた。神谷宗幣代表に率いられた参政党の面々である。和田政宗元参議の応援に回った宮城県知事選では、実質自民党対参政党の一騎打ちであり、惜敗という結果に終わったが、新興勢力にあそこ迄迫られたという結果には、既存政党の先生たちは胆を冷やしたのではないだろうか。参政党には焦らずに政策や組織を堅固なものとして一歩づつ前進してほしい。最後にドラマの話を。今期見ているドラマは「もしもこの世が舞台なら...」「MISS KING」「ザ・ロイヤルファミリー」「ちょっとだけエスパー」「仮面の忍者赤影」。それぞれ面白いと思うのだが、その中でもダントツなのは「MISS KING」。AbemaTV制作。私はNetflixで視聴している。主演は能年玲奈。のんというべきところなのだろうが、私は能年玲奈にこだわりたい。能年演じる国見飛鳥は幼少のころ棋士である父親から母親と一緒に捨てられてしまう。20年後に父親は将棋界のトップに君臨する存在となるが、その父親に捨てられた復習をするために、国見飛鳥は棋士を目指すことになる。まずはアマ将棋から始め、8連勝して大会の優勝者となる。そして棋士への挑戦資格を獲得する。というのが今までの流れ。このドラマの面白いところは中村獅童演じる父親の棋士としての生き方がよく描かれていることと、そしてもちろん能年玲奈の演技である。将棋の天才少女国見飛鳥そのものとなった彼女の演技には圧倒されてしまう。現在全8話中5話迄配信されている。最後は父娘対決で終わると思われる。最終的には父娘は和解すると想定されるが、それは棋士同士ならではの冷ややかなものかもしれない。似たようなドラマでチェスを題材にした「クイーンズ・ギャンビット」があるが、「MISS KING」の方が将棋の世界の独自性がリアルに描かれていて面白い。一般的に地上波ドラマがコンビニスイーツやファミレスのクォーリティで平均的視聴者を対象にしているのに比べ、配信ドラマは制作者の嗜好が強く反映されたミニシアター系の映画のようなドラマが多い。そのために嗜好性が一致する作品と出会った場合心に深く刺さってくる。どちらのやり方もアリだと思うが、個人的に日本のドラマで残念に思うことは対象視聴者を日本人だけに絞っていること。そのために予算が限られて、それは作品の質に如実に表れてくる。例えば「仮面の忍者赤影」。第1話を視聴した感想ではだれを対象視聴者と設定した作品かわからない。普通に考えてSAMURAI, NINJA, Monsterが出てくるこのドラマはクール・ジャパン満載のコンテンツである。昨年世界的にヒットしたShougunより20年ほど前の時代背景である。この時代多くの外国人が日本中にいた。ポルトガル人宣教師フロイスなどは、京や安土で信長と対面している。国際色豊かだった当時の日本を背景に国際市場をターゲットにした番組制作もできたはずである。例えばフロイスにとって当時堕落しきっていた日本仏教はキリスト教普及において何ら障壁とならなかったが、唯一熱狂的な信者が増えている金目教だけが彼らの布教活動の弊害であったため、フロイスの依頼を受けた信長が影一族の赤影に金目教首領甲賀幻妖斎討伐を命じた、という設定であれば、より歴史的背景に重さが増し、国際色豊かな物語となる。信長に弥助という黒人の配下があったくらいなので、影一族の中に青い目をした青影と呼ばれる少年忍者がいたとしても不思議ではない。このような設定であれば国際市場へのセールスも容易だったのではないだろうか?国際競争力が全くない日本のメディアやエンタメ(アニメ除く)にも熱い情熱を持った人材出現が望まれるところだ。個人的には三谷幸喜の作品、例えば「ステキな金縛り」のようなバカげた設定だが、最後はほろりとさせる物語などアメリカでもヨーロッパでもプロモーション次第では受け入れられそうに思うのだが。よく言われることだが、日本人の潜在能力は非常に高い。日本人は誠実で勤勉だからというのがその大きな理由だ。それが意味することは何であろうか。私はそれは客観的に自身を評価することに長けていることだと考える。言い換えれば日本人は物事の本質を見抜くことに長けている国民だと考える。それ故に既得権益に胡坐をかいてだれのためでもなく、ルーティンで半端な仕事をして既存のシステムにしがみ付いている人たちが、今、批判にさらされているのだろう。熱意と使命感を持って、国民のために膠着してしまった既存のシステムを変えていこうとしている人たちを、たとえ方向性が若干ずれていても最終的な目的が一緒ならば、応援すべきだろう。それが私たちのより良き明日へ繋がることになるのではないだろうか。