北海道に行ったからついでの感覚で、帯広から訪れたが、移動時間は4時間半で新幹線で東京〜小倉に匹敵するとは。しかし、街の景観はそれに相応する素晴らしさで、来た甲斐があった。

いわずと知れた運河と洋館の街で、めぐるコースも日銀小樽支店から「北のウォール街」と呼ばれた色内本通り、浅草橋までの運河沿いの遊歩道、観光客やインバウンドであふれかえる、北一硝子を中心とした「小樽の原宿」堺町通りなどの定番が中心。とはいえ、坂の街に年季が入った洋館が並ぶ風情、手つかずのレトロな倉庫が並ぶ重厚な石組の運河は、何度訪れても心に沁みる。

それだけでは直球すぎるので、やや変化をつけたご当地らしいルートも追加。駅前の三角市場は、斜面に立地して建屋内の坂道沿いに鮮魚店が並ぶ。花銀通り付近の花園は、間口が狭い古びた建物が密集する、味わい深い北の酒場街。市街を横断する手宮線は、かつて港へ繋がっていた支線で、線路を残した鉄道の跡らしい遊歩道だ。