三県境から、河道を変更された谷田川沿いの堤防へ上がると、渡良瀬遊水地の眺望が広がる。栃木・茨城・群馬・埼玉の4県に跨る遊水地で、面積3300haは遊水地としては国内最大である。上から見るとハート型をしており、日本一大きなハートとして恋人の聖地にもなっているのだとか。

遊水地が設けられたのは、明治期の足尾銅山による鉱毒問題による。銅山から流出する鉱毒が、渡良瀬川の氾濫により広がらないよう、洪水と鉱害を防止するために渡良瀬川の最下流部に設けられた。この場所にはかつて谷中村があったが、遊水地を整備するために廃村になった歴史も。そのため別名「谷中湖」とも呼ばれている。

現在は穏やかな湖面を見せており、周囲には緑地公園が整備され市民の憩いの場にもなっている。柳生駅からの最寄りが中央エントランスで、下宮橋で谷田川を渡ると湖を横断して築堤と西橋が伸びている。湖の北ブロックと南ブロックの中央を渡っており、北側は赤城山から日光連山へ続く山々が、南は渡良瀬川越しに古河の市街を臨める。

中央の中の島中の島付近は水鳥が多く、ラムサール条約登録湿地になっている水辺風景が広がっている。島からは東側と北側へ築堤と橋が分岐しており、北側の湖岸はかつての谷中村の中心で、役場の跡や村にあった神社が残っている。

湖岸へ引き返して、三県境ゆかりの道の駅にも寄っていきましょう。