今朝の根室さんぽは昨日の午後の続きで、市街から根室港と金刀比羅神社までの残りを歩いた。花咲ロードを抜けて海岸町通りへ、根室で初の新聞社の北洋社と根室初の商店の白木屋の跡を見て、石畳道路の遺構の先に広がる根室港へと下っていく。

根室港は開国期にロシア人のラクスマンが来港したことにはじまり、明治期には開拓使の根室支庁が置かれ海外との貿易の窓口となった歴史がある。日曜で休漁のため、漁港の立派な岸壁はひっそりした雰囲気。釣り人がパラパラいる程度で漁船の姿もなく、荷捌きの建屋に貼られた不審船や密漁の報告を促進する掲示が、場所柄を示している。

準温泉と記された浴場「みなと湯」の先、港の背後の小山の上には根室金刀比羅神社が構える。一之鳥居の石鳥居をくぐり参道を登ると、沿道の木々の間から根室港と付近の建屋がちらり。二つある展望台は木々の中をゆく遊歩道で繋がっていて、地元の方の散策路にもなっている。

二之鳥居の先の正神門を抜けると、丸金の社号が染め抜かれた廉が下がる入母屋流造の本殿が。大物主命を主祭神としており、北洋漁業を開拓した高田屋嘉兵衛が祀ったことから、漁業をはじめとした産業の守護神として地域の信仰が深い。また北方四島の神社の神々も祀られていて、北方領土との信仰の縁も深い。

高田屋嘉兵衛の像の先にも港湾を見下ろす展望所があり、正面には祠が置かれた弁天島、右手には国後島の島影もぼんやりと見通せた。水揚げ日本一にちなんだ福ざんまいみくじをひいたら、根室さんぽは終了。