延岡城跡の近くにある料亭で、以前魚紀行の取材で訪問して以来20数年ぶりの再訪となる。メヒカリの唐揚げの発祥の店と称しており、品書きにもメヒカリの料理を揃えた定食や膳が見られる。前回の訪問時と同じくひとり客ながら個室に通していただき、注文を思案。昨夜のとんちゃんでメヒカリをいただいており、かと言って発祥の店でスルーするのも何だし、と迷っていたら、メヒカリ唐揚げとチキン南蛮の合い盛りがおかずの、タパスランチという好都合なものが。

チキン南蛮は延岡の洋食屋「ロンドン」のまかないがルーツとされ、そこで学んだ居酒屋の主人が店で出し始めたら好評となり、延岡から県内へと広がっていったという。タルタル系と甘酢系があり、この店では自家製のタルタルが濃厚、肉はジューシーでご飯にのせてかっ込んだらなかなかご機嫌な逸品だ。メヒカリ唐揚げは白身の甘味が強く、骨まで柔らかでさっくりといただける。日向灘の沖合の水深300mほどの深海に棲息、底引網で漁獲されるが近年は漁獲が少なく、やや高級魚になりつつあるのだそう。

ちなみにタパスランチとは、延岡市内の料理店が自慢の一品を提供する廉価版の昼定食なのだとか。店が発祥の一品に延岡にルーツのある一品が組み合わさり、ちょっとお得なランチで大満足となった、懐かしの再訪の銘店である。