後半は、本八戸駅を起点に市街を歩いた。駅前の三八城公園は、南部氏が拠点とした八戸根城の支城・八戸城址を整備した公園。城は江戸期に八戸藩が南部藩から分立した際に政務の拠点として整備され、城下町も整えられた。城跡には藩祖の南部直房像や藩祖を祀る三八城神社が建ち、高台のため市街地を一望。長根公園のスケートリンク、YSアリーナのドームも臨める。付近には義経にゆかりある龗神社ほか、八戸市公会堂付近には城跡の名残が見られ、八戸城角御殿表門が唯一当時の面影を残す建造物。明治天皇の行在所が置かれたロータリーには、なぜか小便小僧の像が。

オブジェ「石を聴く」が広場に点在する八戸市美術館を過ぎると、三日町交差点で市街の中心へと出る。さくらの百貨店やコミュニティスペースの「まちにわ」など商業ビルなどが集まらり、いきなり東京と変わらない繁華街風景になるのに驚く。沿道には蕪島や夢の大橋といった名所のオブジェが配され、アートの街らしい雰囲気も。ヤグラ横丁から並行する裏通りは、夜の繁華街のメイン通りらしくバーやスナックが入る大型のビルが連なっている。

名の通り天聖寺などの寺院が点在する寺横町には、年季ある屋号看板を掲げた古い商店や飲食店、旅館が連なり、先ほどの繁華街的な風景から一変する。通りはそのまま、八戸三社祭りの山車制作やえんぶりの会場となっている「長者まつりんぐ広場」につながり、奥寄りの小山には八戸藩2代藩主南部直政が、領内の守護を祈願して建てた長者山新羅神社が、森の中にひっそりと社殿を構える。えんぶりの奉納舞が行われ、龗神社から三社祭の神輿の渡御もされるなど、八戸の祭りにゆかりの深い社だ。