新庄のご当地グルメに「鳥もつラーメン」がある。古くから地域の煮込み料理に使われる鳥もつのうち、心臓・砂肝・キンカンなどの赤モツをのせるのが特徴で、現在も市街の老舗大衆食堂や中華そばの店で供されている。屋号が鉄道での往来で賑わった頃を思わせる、駅前の「急行食堂」でそれを見つけ、街を一巡りしてからお昼にしようとしたら、戻ってきたら「準備中」の札が掛かり暖簾がしまわれている。各種情報からは通し営業とあったが、あてにしていただけに困ったことに。
界隈の店は足並みを揃えるように午後の休みに入ってしまっていて、昼飯抜きを覚悟したところ、駅前の市場街に「うどん・そば」の幟がはためくのが見える。暖簾をくぐると間口の狭い、いかにも市場で働く人向けの飯どころといった佇まい。おかみさんと近所のお客が、山形弁全開で談笑している中、時間はずれの余所者なのでやや小さくなりながらテーブルについた。
もつラーメンはないものの品書きに「鳥そば」があり、鳥繋がりでいい落とし所と注文した。そばは柔らかながら弾力がある独特な食感で、皮付きの鳥正肉はかむほどに味が出るいい煮加減。ちなみに鳥はこの地方で、ハレの時に一羽まるごとつぶして振る舞う習わしがあり、もつにはありつけなかったが新庄のハレ食の一端にふれることができたような。ご飯の残りが少ないのでサービス、といただいたおにぎりは、付け合わせのたくあん漬けが田舎の味で嬉しくなる。
この店、屋号がなく「そば屋」との表記しか見当たらない。入れ替わる客も地元の方ばかりで、食事処というよりも地域の交流の場にも思えてしまう。「だ」「ど」などの語尾の会話が飛び交う中、そばをすすりおにぎりをかじれば、ご当地グルメをいただくよりも地元に踏み込めたような思いがする、新庄の駅前市場そば屋である。
界隈の店は足並みを揃えるように午後の休みに入ってしまっていて、昼飯抜きを覚悟したところ、駅前の市場街に「うどん・そば」の幟がはためくのが見える。暖簾をくぐると間口の狭い、いかにも市場で働く人向けの飯どころといった佇まい。おかみさんと近所のお客が、山形弁全開で談笑している中、時間はずれの余所者なのでやや小さくなりながらテーブルについた。
もつラーメンはないものの品書きに「鳥そば」があり、鳥繋がりでいい落とし所と注文した。そばは柔らかながら弾力がある独特な食感で、皮付きの鳥正肉はかむほどに味が出るいい煮加減。ちなみに鳥はこの地方で、ハレの時に一羽まるごとつぶして振る舞う習わしがあり、もつにはありつけなかったが新庄のハレ食の一端にふれることができたような。ご飯の残りが少ないのでサービス、といただいたおにぎりは、付け合わせのたくあん漬けが田舎の味で嬉しくなる。
この店、屋号がなく「そば屋」との表記しか見当たらない。入れ替わる客も地元の方ばかりで、食事処というよりも地域の交流の場にも思えてしまう。「だ」「ど」などの語尾の会話が飛び交う中、そばをすすりおにぎりをかじれば、ご当地グルメをいただくよりも地元に踏み込めたような思いがする、新庄の駅前市場そば屋である。
