台風接近の先手を打ち、連休初日のうちにさんぽ講座のロケハンで築地へ。名の通り江戸期の振袖火事で焼けた本願寺の移転先として、隅田川の河口を埋めて築いた地で、開国期に外国人居留地があったのは割と知られていない。オリエンタル建築の本願寺に始まり、軽井沢の聖パウロ教会を設計したレーモンドによる聖路加病院本館、ハーフティンバー建築のトイスラー邸、東京初の教会のカトリック築地教会など、写真をまとめたら魚河岸のイメージが強い築地とは思えないほどエキゾチックに。

開国後最初に外国人居留地が置かれた横浜は商業地だったのに対し、築地は文京の地の位置づけだった。そのため界隈には学校開校の地が集中、もと中津藩邸の蘭学塾が起源の慶応をはじめ、立教女学院とか明治学院とか青学とか工学院とか関東学院とか暁星とか雙葉とか。聖路加病院も元は宣教師医師が開いた医院で、敷地内にあるもと宣教師住宅のトイスラー邸は、今も名誉院長の日野原重明氏が使うことがあるそう。

居留地を巡った後は、聖路加タワーから月島佃島を見下ろして、隅田川沿いのリバーウォークを散歩して勝鬨橋、築地場外市場までが今回のコース。場外は相変わらずの人出だったものの、もう市場ではないレトロ風総合フードコートになってしまっていた。もとは本願寺の門前の寺町で、今も海産物店や飲食店に混じり4ヶ寺だけがひっそり残っている。