昨日は有田の散策を昼前に終えられたので、移動して佐世保も歩くことに。かつては海軍の鎮守府、現在は海自と米軍が拠点とする軍港の街で、昔ながらの繁華街とアメリカテイストが入り混じった独特の雰囲気が漂っている。

駅から国道35号を、丘に聳える白亜のカトリック三浦町教会を仰いで進み、アーケードのさせぼ四ヶ町商店街に突き当たるあたりが佐世保の中心街である戸尾と京町。国道の山側に古いマーケットが広がっていて、かつて戸尾小学校があった高台の直下には防空壕を店舗に活用したトンネル横丁と、佐世保市民の台所的な戸尾市場が広がっている。精肉店や鮮魚店、青果店などが並ぶ小売市場で、昭和がそのまま残ったような空間。かつての捕鯨の拠点らしく、鮮魚店にはベーコンや畝須など鯨の加工品も見られる。

海側のさせぼ四ヶ町商店街は、さるくシティ403アーケードとの別名がある、国際通りへ至る長大なアーケード商店街。ローカルデパートの玉屋に佐世保バーガーや中華まん、南蛮菓子のぽるとなど、ご当地らしい店も点在しており、舗道には佐世保名物の景勝や魚介をデザインしたタイルなども敷かれ、楽しみながら歩ける。

抜けたところの国際通りから軍港らしいテイストが感じられ、海軍橋のモニュメントや旧佐世保鎮守府凱旋記念館だった重厚な洋館、海軍下士官集会所跡の碑など、ゆかりの史跡が集まっている。帰りは佐世保川沿いの遊歩道を歩いて行くと、佐世保公園の緑地へと入っていく。遊具が並ぶ園地の奥には米軍のニミッツパークが隣接していて、フェンスとゲートが物々しい雰囲気だがアメリカ人の家族連れが談笑しながら公園と行き来していて、これが日常の風景なのだろう。

友好都市から名前がついたアルバカーキ橋を渡り、平瀬橋のたもとで軍港の引き込み線だった廃線跡の鉄道橋を眺めたら、再び繁華街方面へ。先ほどのアーケードに並行する道路公園は夜店公園通りとの名がついていて、日本最西端の繁華街とある。緑地を挟むように飲み屋や飲食店が連なり、路地にはカラフルな行燈看板も覗ける。