福岡県の柳川は、町中に水路が巡らされた水郷で、船での川下りが有名だ。舟下りのコースをたどり水路端を散策、沿道の柳並木など緑にあふれ、道中には水路の交差点とか舟が通るのがやっとの幅に狭められた水門とか、味噌蔵の赤煉瓦の並び蔵とか川魚漁のくもで網とか、舟下りのハイライトを陸から別の視点で眺められ面白かった。

北原白秋をはじめ文学碑も数多く、日本の道百選に選ばれたあたりや白州が学校に通った「白秋の道」付近が見どころ。ほとんどが水路側に向いているのも、川下りの町らしい。柳川藩主立花家別邸、通称「お花」がある付近が観光向けの見どころの中心で、白亜の西洋館に庭園の松濤園が広がる。隣接の東庭園は無料で入れ、白州記念館のそばには「帰去来」の碑が配された詩碑苑があるなど、関連した無料の穴場も多いのがありがたい。

付近は川下りの終点で、水路沿いに町並みや船着場風情の風景が整えられた、人気のフォトスポット。さらに先にある沖端漁港は一番見たかったところで、川港なのだが干満の差が激しい有明海の影響で干潟に漁船が打ち上げられたような眺めが、何ともインパクトがある。

舟にも乗りたかったけれど、舟では行けない風景がかなり見られたので十分満足。あとはうなぎのせいろ蒸しをいただけたら、文句なしだったけれど。