山寺の午後は山形市街。街歩きの対象というイメージは少ないですが、最上義光公の城下町、商家と洋館の街並み、花笠踊りの舞台と、意外に多彩な表情が見られます。城郭は駅西側の霞城公園に本丸や大手門櫓が残るほか、三の丸土塁、七日町の飲食物販施設「水の町家」に現存する御殿堰など、市街にピンポイントで現存。中心街の十日町通りには、紅花問屋の店舗と蔵と母屋座敷を活用した複合施設「紅の蔵」ほか、白壁土蔵や町屋建築が往時の賑わいを伝えます。

明治初期の県令の三島通庸が、文明開化政策の一環で洋風建築を積極的に導入していた名残で。旧県庁舎の文翔館、医療施設の済生館本館だった円形建築の山形市郷土館といった、壮麗な洋館建築も現存。私的には旭銀座シネマ通りに、昭和の面影の商店や飲食店、花笠とかこけしを扱う郷土工芸の店が並んでいて、ローカルな風情がなかなかよかったです。