「いわき七浜料理」を標榜する、鮮魚店に併設の料理店。何度か利用したことがあり、カツオやウニ貝焼きやメヒカリなどいわきの地物をいただいてきた。今回はメヒカリを選んだところ、定食で1500円近い値段。そもそもは庶民的地魚なのだが、深海魚かつ水揚げが減り最近は高級魚になりつつある。

定食は刺身がつくのだが地魚があまりないようなので、メヒカリ単品とご飯と味噌汁に「バラシ」にしてもらい1000円ちょいにコストダウン。唐揚げは大盛りなのに加え、以前食べた時より太く大ぶりな印象で、乳製品的な濃厚な甘さの白身にポン酢や醤油をたらしてご飯とかっ込めば、ああこれぞ当地の魚飯といった至福に浸れる。昨夜のホッキ飯に続き、いわきの魚介の実力を堪能できる料理である。

以前の訪問は東日本大震災の直後で、当時は地物の水揚げが皆無のため近隣の水揚げ地からや質のいい他所物を取り寄せるなどして、必死に店を開け続けていたのを思い出す。支払いの際、以前の訪問時の話を店の方にしたところ、今でも漁獲の検査は続いており必ずしも地物ばかり出せるわけではないとのこと。もう10年を過ぎたのに、未だに当時の影響が残ることに少々驚きの再訪となった、小名浜のローカル魚料理である。