スタートの輪島駅は、かつてののと鉄道輪島線の駅があった場所。現在は金沢駅からの特急バスが到着するバスターミナルで、道の駅で「ふらっと訪夢」の愛称も。ホームの一部と行灯と鳥居の駅名標が保存され、鳥居の駅名標には終着駅時代の、シベリアとの行き先も。建物には観光案内処とバスの待合所が併設され、金沢カレーのゴーゴーカレーの店舗も。

道の駅の看板を後に、輪島駅から市街まで、かつての駅前商店街の馬場崎通りを歩く。通りに入るとさっそく、輪島塗りの塗師の店が。沿道は板張りの町家に景観が整えられ、精肉店やクリーニング店の外観も整備。眼鏡店の前の視力検査には、輪島らしく魚の向きが。塗師屋や骨董の店も混じり、工芸の町らしい趣がある。循環バスの「のらんけバス」のバス停にも、漆器がデザインされている。

町家風の景観の建物の中をしばらく歩き、川端旅館と数軒の飲食店を過ぎると、輪島駅から5分ほどで河合中央交差点。町歩きの起点となる場所で、南側の目抜き通りの国道249号、輪島まんなか商店街にはキリコ祭の山車を模した行灯が連なる。直進して孫太郎小路へ、レンガ歩道のわいち通りは輪島で一番楽しい商店街がコンセプト。別名「わじま地物市」。地域密着型の商店街で、盆栽、漆器、ゆべしの中浦屋本店も並ぶ。