清流公園を後に、諏訪峡遊歩道に沿ってさらに下流へ。道標に従い、笹舟橋まで歩いてみる。対岸の山肌は紅葉の名所で、10月下旬〜11月上旬が見頃。笹舟橋のたもとには、与謝野晶子歌碑公園が整備されている。太宰治や若山牧水など、水上温泉には文人墨客が数多く訪れており、中でも与謝野晶子は昭和6〜14年に4回逗留して、数多くの歌を詠んでいる。

碑は2つのエリアに分かれ、桜並木の歌には夫婦で法師温泉や湯原温泉に滞在した際の句など5首が。笹舟橋のたもとの中央広場には、夫婦が好んだ椿や晶子がパリ遊学後に愛用した帽子を模した5つの碑に、夫婦の歌詩が刻まれている。笹舟橋のたもとには利根川を見下ろすように、流れを詠んだ「岩の群れ」の歌碑も。笹舟橋で対岸へ渡る途中、道の駅方面の流れを一望。下流側には斜張橋の諏訪峡大橋と、急流で岩が侵食された竜ヶ瀬の奇景も。諏訪峡大橋は高さ42m、橋からは諏訪峡の紅葉を一望できる。

笹舟橋からは笹舟童子公園を経て、利根川の対岸の遊歩道を引き返す。木の根道や河川に迫り出した斜面などなかなかワイルドで、小さな沢をいくつも小橋で渡っていく。カエデのトンネルをくぐる箇所もあり、早めの紅葉がちらほら見かけられる。八幡大神の石塔から岩を越えていき、案内看板を逆にたどっていき、対岸に道の駅みなかみ水紀行館を見たら出口はすぐ。紅葉橋で夕景を見上げ、来た道を温泉街方面へ向かう。日が落ちランプ風の街灯が灯り、温泉情緒が漂う中を水上駅まで10分ほど。お疲れ様でした。