このたびの旅では、私的住みたい街ランキングベスト3のうちふたつを訪れられるという。函館も盛岡並みにリピートしており、今回は全部盛りの決定版的なルートで撮影できた。朝市や教会や夜景だけじゃない、函館の素顔を見られるさんぽ、いってみましょう。

駅に隣接する朝市は、どんぶり横丁のサンプルアートと駅二市場のイカ釣り堀を冷やかし、北海道の海鮮丼の元祖的なきくよ食堂の店頭を眺めて通過。観光客が少ないため、親父さんとおばちゃんのフォーメーションとマンマークが、よりオフェンシブになっていた。ともえ大橋直下の港寄りの道へ、青函連絡船記念館摩周丸の先には、函館市水産物地方卸売市場がある豊浦埠頭が続く。函館名物のイカの流通拠点で、護岸にはイカ釣り船が係留されトラックが行き来するなど、朝市とは違った形の活気がある。

この道路はそのまま、水路に架かるアーチの石橋の七財橋を越えて、金森倉庫群が並ぶベイエリアへ続いている。中はショッピングモールながら倉庫の外観は当時のままで、5棟並ぶ建物の間を歩くと北のロフト街らしいたたずまい。ホテルシーボーンや旧茶屋亭、高田屋嘉兵衛資料館など、木造や石造の洋館や蔵も並び、貿易や物流の拠点だったことを今も伝える。はこだて明治館は明治44年に建てられた、道内初の郵便局。現在はグラススタジオやオルゴール明治館などの、ショップが入っている。