再び気温差40度近い外へ出て、隣接の横で市役所を過ぎけやき大通りを渡り、柳の並木をさらに先へ。このあたりも箱型の擬洋風建築が並び、屋根上の部屋や煙突がある家など、雪国らしい特徴が見られる。大町交差点を入ったところには、元祖柿羊羹の木村屋の黒壁の商家と、結婚式場ゲストハウスのら平源の白壁の蔵が向かい合う。

平源はもと旅館で、版画家の棟方志功や政治家の犬養毅など著名人が利用。蔵は明治初期、本館は大正時代の建築で人造石や薄いベージュのタイルを配し、浮彫装飾などを施した大正ロマンあふれるつくりである。木村屋は明治35年に開業、建物は明治40年に大町に移転した以来のもの。地産の果物を使った菓子作りに取り組んでおり、初代の山下久助は羊羹を流し込む衛生紙缶を発明した人物でもある。

大町の先、横手川に架かる学校橋の上から、上流に「お城山」と地元で呼ばれる横手公園の方向が臨める。正面には愛宕山、上流方面には山本正道の彫刻「水辺にて」越しに湯沢方面を遠望できる。