呉服町商店街を抜けたところは刀町で、右に折れるとこちらの沿道にも板塀や格子窓の商家、漆喰の長屋風商家が見られる。先程の中町商店街を過ぎた先には、明治45年3月竣工の旧唐津銀行本店の洋館建築がそびえ立つ。建設の監督は辰野金吾で、設計は愛弟子の田中実。辰野は唐津藩英学校(耐恒寮)で教えを受けるなど、この地に縁がある。デザインのスタイルはイギリス留学時代に流行したヴィクトリア様式の一つ、クイーン・アン様式を日本化した「辰野式」と呼ばれるもの。赤煉瓦に白い御影石を混ぜ、屋根の上に載せた小塔やドームが王冠のような装いである。
1階の営業室は現在は貸ホールで、客だまりとの間にカウンターと窓口がそのまま残っている。木目を生かした階段を登ると、客だまりの上の吹き抜けの高天井にはアール・ヌーヴォー調のシャンデリアが架かる。旧総会室は資料展示ホールに、旧貴賓室はアーチを施した装飾で華やかな天井飾りや鮮やかな絨毯が当時を思わせる。1階の金庫室も見られ、当時から使っている金庫も残っている。
1階の営業室は現在は貸ホールで、客だまりとの間にカウンターと窓口がそのまま残っている。木目を生かした階段を登ると、客だまりの上の吹き抜けの高天井にはアール・ヌーヴォー調のシャンデリアが架かる。旧総会室は資料展示ホールに、旧貴賓室はアーチを施した装飾で華やかな天井飾りや鮮やかな絨毯が当時を思わせる。1階の金庫室も見られ、当時から使っている金庫も残っている。
