出雲大社てくてくさんぽその３（20210710）

出雲大社の境内からいったん東へ出て、社家通りを歩く。社家とは、神社の奉祀を世襲してきた家のこと。吉野川の清々しい小川を渡り、白壁の道に入ると、北島国造館の大門が目に入る。大国主大神の御神徳を広めるため設立された神道教団「出雲教」の総本院で、かつて社家を務めた家の一つである。内部は払所や四脚門、庭園の奥には池が広がり、背後の亀山から流れる「亀の尾の滝」の前の小島に天神社が。大黒様を祀る祠で、農業、商業ほか医療、地鎮、酒造の神様として関係者の参拝が多い。

社家の道が通るあたりは亀山山麓にあたり、湧水が流れる水路の水音が響く。出雲大社境内の喧騒を避けて、静かな散策が楽しめるのがおすすめだ。北島国造館の先にある命主社は出雲大社の摂社で、巨岩の前に位置し樹齢1000年を超えるムクノキの巨木が茂るなど、小さな社ながら神秘的なたたずまい。真名井の清水は古伝新嘗祭など、出雲大社の重要な神事に使われる湧水の井戸で、地元では神水として知られる。汲み場や柄杓も置かれ、流れは正面の田園方面へと続いている。