レトロながらしゃれた造りの一畑電車・出雲大社前駅からスタート。古い駅舎ながらスレート葺きの蒲鉾型の屋根、内部は曲線的な窓口と壁にステンドグラスがあしらわれ、構内にはレイルウェイズの赤いレトロ電車も留置されていた。中に入れ、木造の床にモケットの座席が懐かしい。

駅前から出雲大社までは、宇迦橋の白い一ノ鳥居から勢溜のあるニノ鳥居まで、参道の神門通りがのびている。かつては旅館などが建ち並んだ参詣道で、国鉄大社線の廃止により一時廃れたが、2013年の出雲大社の遷座に合わせて再整備された。松並木や街路が続く石畳に添い、観光案内所ほか出雲そばにぜんざい、和菓子、甘味やカフェなど古い町屋風の店舗が続く。

出雲大社の正門にはニノ鳥居と社名の石柱が構え、前の広場は万物の勢いがたまることから「勢溜」と呼ばれるパワスポ。参拝時にまず身を清める祓社を拝み、浄めの池の庭園を見下ろして参道を進み、祓橋を渡り中の鳥居からは神様が通る松の参道が中央を貫く。左右は東西の神苑の芝生が広がり、ウサギ像と大国主命の「縁結びの碑」が立つ広場、因幡の白兎にまつわる大黒様とウサギの像、縁結びにゆかりの幸魂奇魂像など、神話の国らしいオブジェや神像も各所に配されている。