洋館の長楽館の前を通って円山公園を後に、ねねの道を南へと歩く。高台寺の西側の通りで、この地で19年の余生を送った北政所(ねね)にちなんで名がついた、石畳の道である。沿道には小さな寺院が点在しており、黄土塀が続いたり丸石の参道が分岐したりと、道中は変化に富む。沿道の料亭や甘味処の塀越しに、八坂の塔の塔頂がちらりと覗いてくると、道は細くなり左へ向かう一念坂へ。坂といっても平坦な小道で、狭い石畳の路地に昔ながらの町家が密集する。出たところはゆるい坂道の二寧坂で、そのまま石段となり直進すると東山の山麓を産寧坂を経て、清水寺へ至る道だ。
二寧坂の石段を登り切ったところで右への坂を下ると、町家の塀や瓦屋根越しに再び八坂の塔が近づいてくる。このあたりの街並みのシンボル的な佇まいで、道はそのまま塔の直下へと続く。八坂の塔は法観禅寺の五重塔で、高さは46m。聖徳太子のお告げにより建立され、度重なる火災の後に現在の塔は室町期に建てられたものである。直下にある八坂庚申堂は、カラフルな願掛けの「くくり猿」で埋もれるかのよう。欲を捨てたら願が叶うとあり、手足がくくられた猿は無欲の象徴なのだとか。
二寧坂の石段を登り切ったところで右への坂を下ると、町家の塀や瓦屋根越しに再び八坂の塔が近づいてくる。このあたりの街並みのシンボル的な佇まいで、道はそのまま塔の直下へと続く。八坂の塔は法観禅寺の五重塔で、高さは46m。聖徳太子のお告げにより建立され、度重なる火災の後に現在の塔は室町期に建てられたものである。直下にある八坂庚申堂は、カラフルな願掛けの「くくり猿」で埋もれるかのよう。欲を捨てたら願が叶うとあり、手足がくくられた猿は無欲の象徴なのだとか。
