旅行書の仕事をしていながら、意外に来訪&散策頻度が低い京都。朝日堂チャンネル用につくるなら、ベタな観光ルートでは面白みがないので、有識者?の助言ももらいつつ、定番とローカルさを絡めて歩いてみましょう。

スタートは京都駅でも四条河原町でもなく、地下鉄の京都市役所前駅。官庁街で観光エリアから外れているため、観光客の姿はなくひっそりしたたたずまいでのスタートとなった。御池橋を渡り、まずは高瀬川沿いを散策。角倉了以が水運のために開削した水路で、水深はわずか30㎝と浅く底が平たい高瀬舟が往来していた。沿道は和洋それぞれのこぢんまりした飲食店が連なる、落ち着いた繁華街となっている。

三条大橋から鴨川を眺めたら、そのまま先斗町の狭い路地へ。長さ500mほど、京都五花街のひとつで、現在は隠れ屋風の洒落た飲食店が軒を連ねている。沿道にはシンボルの千鳥を描いた提灯が下がり、竹矢来、簾、柳の木、行燈看板にホーローの町名版など、あしらいにそれぞれ趣が感じられる。ところどころに見られる細い路地には、「通り抜けできまへん」と書かれた千鳥看板がまた、可愛らしい。中程には先斗町公園があり、鴨川の岸に迫り出す川床を間近に見ることも。