鍛冶橋で宮川を渡って2本目の通りが上三之町で、普段の週末は観光客でびっしりなのだが、時節柄人通りは少なめでいい感じで町家の絵が撮れた。土産物屋や牛串など観光客御用達の業種に使われた建物が多く、屋号の看板がイマイチなのだが、北の端からだと屋根に秋葉様を祀った町家に、もんやや老田酒造付近から、旅館河渡と藤井美術民芸のあたりが、比較的昔の街をイメージしやすい一角である。沿道には高山祭の屋台蔵も見られ、案内板に飾られた屋台の写真が華やかだ。

中程の古い街並みの標柱がある先は、水車を植木鉢にあしらった花壇など、水路沿いの花や緑が潤いを与える。中央の郷土料理の坂口家や外れの蔵の喫茶の藍花など、建物の風合いを生かした飲食店も特徴的だ。国道を渡った先は味噌汁や白酒の試飲ができる大のや醸造や、棟続きの建物や仕込み所や蔵のバーが集まる舩坂酒造など、中を見学できたり試飲試食ができる醸造店が点在して、寄り道が楽しい一角である。