大街道は、松山中央商店街の一角を占める巨大なアーケード商店街のひとつ。大正時代初期に用水路が埋め立てられて広い通りができたのが所以で、当時から大街道という通称が定着したといわれる。アーケードは、長さ483m、自動開閉式3段ドームの全蓋アーケードを備えている。入口の松山三越は終戦直後に開店の、松山の商業の拠点。足元には道標のほか、観光紹介のタイルアート、松山城下町ミュージアムと称して松山城下図屏風や東映グランド劇場など、ゆかりの地の古図や古い写真を足元に掲示している。

沿道には地元の普段使いの店が並ぶ中、松山の地産品や老舗も点在、勞研饅頭は昭和6年創業の、酵母菌で発酵させた蒸しパンの店。伊予柑やせとか、紅まどんなといった地産の柑橘も並ぶ。地元プロサッカーチーム、愛媛FCの応援幕も、アーケードから下がっている。アーケードは途中から銀天街に変わり、ドームは薄紫色、柱に星や雪の結晶のイルミネーションをあしらったり、店名の札がモダンなデザインになるなど、ハイカラな印象に。漱石の行燈と花のステンドグラスのところで右に折れ、幅はやや狭まる。

店の種別は日用品やファッションなど、さらに地元向けとなり、屋号の看板も庶民的に。明屋書房は松山への地域密着推しの看板が堂々と目立ち、文具のアイコン看板がスタイリッシュな三浦屋、洋食喫茶のようでジャズスポットのジャックと豆の木など、地元色の濃い店が点在する。アーケードを抜けたところが、タカシマヤが入る伊予鉄松山市駅ビルで、散策はここまで。お疲れ様でした。