
来た道を旧港第一船渠の魚市場会館まで戻り、しおかぜ通りに入ったところの焼津漁業資料館は、遠洋漁業を中心とした焼津の漁業史を展示する施設。かつて用いた櫓船や漁具、再現された漁民の家などが並びます。54t型のカツオ船の実物のブリッジには、乗り込んでみることもできます。当時の無線機などの漁業機器が置かれ、舵輪、方向探知機、霧笛なども現役時のまま。後方には、交代制の仮眠室が2ヶ所あります。
マグロ延縄の模型には、針や浮き、擬似餌などの実物が。延縄漁は長さ150〜180㎞の幹縄に、針を仕掛けた2500本ほどの枝縄をつけて流す漁法です。幹縄の長さは大体、東京から静岡ぐらいまで。投縄に4〜5時間、3〜4時間放置したのちに10時間以上かけて揚縄を行います。カツオの一本釣り漁は群れを見つけたら船を寄せ、船首から散水して生きたイワシを撒き、疑餌鉤により竿で釣り上げる漁法です。散水は海面を波立たせて、イワシの群れのように見せかけるためです。2階にはかつて水揚げ場だった頃の、旧港の写真が。荷捌所に収まらず、道路にあふれるほど豊漁だったことも。