
駅を後に、焼津駅前通り商店街に入り、片アーケードと広い歩道を歩きます。眼鏡橋には、たくさんの魚介と人魚のオブジェが。橋のたもとから、小石川に沿って漁港方面へ。欄干が低い木舟橋など、小さな橋がいくつも架かります。須原橋で小石川と離れ、停泊する漁船が見えてきたら焼津旧港です。焼津旧港はかつて、マグロの水揚げ拠点だった港。焼津の遠洋漁業の漁港は、駅寄りの焼津地区と南寄りの新港地区に分かれ、市街に近い焼津地区には旧港と外港があります。それぞれ築年や設備が違い、個々に独特な漁港風景が広がっています。
旧港は現在は主に、遠洋漁業の漁船の補給や整備に使われています。広い岸壁は荷捌場が撤去された跡で、往時の規模が分かります。旧港は第一船渠と、先には第二船渠があります。沿道には、船ごとに区画が設けられた漁具倉庫や運送会社の営業所など、漁港の周辺らしい施設が。旧港には小川漁港で水揚げする、沿岸漁業の小型船も停泊しており、遠洋の大型船と、大きさの対比ができます。第二船渠の手前には、航海中に使用する日用品の店や、工場と店舗を併設した鉄工所。さらに。生活雑貨の店も。第二船渠からさらには、船主でもある漁業会社が点在。トタン造の作業場の向かいの古い漁具倉庫には、扉に船名がかすかに読み取れます。