紀州街道に戻って先に行くと、格子戸に虫籠窓の黒漆喰商家の先に、2つの洋館建築が並ぶ。岸和田中央会館は、昭和10年築のもと岸和田貯蓄銀行。スクラッチタイル貼りで、ファザードの半円アーチがインパクトある。旧和泉銀行は昭和8年築の本店で、タイル貼りの外観にメダリオンを配した、2階通しのアーチの入り口が目を引く。

紀州街道と岸和田本通り商店街との交点も、だんじりが折れるやり回しの名所だ。小門貝源と呼ばれ、名の通り1855年創業の小門紙店、左に貝源という屋号の家があることに由縁。ここで紀州街道を後に右へと折れ、岸和田駅方向へと向かう。沿道には昭和の商店が軒を連ね、自転車屋など銅板の看板建築の商店長屋、アサヒビールのロゴが懐かしい出口酒店など。

途中に左に分岐する白壁石畳の路地は寺町筋で、西方寺や本徳寺などの寺院が集まっている。和菓子のだんぢり屋製菓は、あんとクリーム入りの「だんぢり饅頭」や銘菓「だんぢり」の製造元。屋号の提灯が並ぶ木島屋は足袋と揃いの法被といった、だんじり祭りの祭り衣装を、明治の頃から扱っている。