銀行建築の向かいにある高岡御車山会館は、高岡御車山祭の資料の展示、祭りの4K映像が見られる展示施設。高岡御車山は、豊臣秀吉が後陽成天皇を聚楽第に迎えた御所車を、前田利家が拝領。それを前田利長が高岡の町民に与え、始まった祭礼である。開催は5/1で、各山町で組み立て装飾された7台の御車山が、早朝に片原町交差点に集合。勢揃式ののちに町内を巡行、山町筋を通り関野神社前にて曳納めとなる。

展示の導入には、豊臣秀吉が後陽成天皇を聚楽第に迎え入れる「御所参内・聚楽第行幸図屏風」が続く。入ったところの祭礼行事展示では、宵祭りの日に御車山を迎えて飾り付けをし、供物をして一晩御車山を守る邸宅「山宿」の供物の様子を再現。工芸展示では金工技法の解説があり、彫りや象嵌を施した彫金金具は、長押や高欄や車輪に用いられる。上幕を押さえる金具のレプリカには、金の地に鳥や花が鮮やかに浮き彫りにされている。上部に留める「鉾留」は、寄木彫刻に漆塗り、金箔仕上げで、胡蝶の羽が一枚の金箔のように艶やかだ。

そして施設の中はどの御車山展示では、実物の御車山が展示されている。展示は4ヶ月ごとに入れ替えられ、この日は守山町の御車山が展示されていた。人形は釣竿に鯛を持つ恵比寿様、高欄は原色の水波の模様と燕の彫刻、鉾留は金箔仕上げの五鈷鈴をあしらった、雅やかなものだ。並んで平成の御車山も展示、本座は前田利長公と正室の永姫で、高岡の地名の由来である漢詩の一節をもとに、高岡のものづくりの技術を費やして作り上げた。

8つの町の御車山は、奥寄りのパネルに写真とともに、主たる作りと見どころが紹介されている。入り口のガイダンス展示にも、これら御車山のミニチュア模型が並んでいる。