搦手門跡から高岡城内を後に、三の丸堀沿いに進み、高岡工芸高校のアートな校門の先、高岡市美術館へ。2階には高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーが設けられ、当地で生まれ育った本名藤本弘氏ゆかりの展示を集めている。

螺旋の階段を登ると、受付の先にピンク色のどこでもドアが。幼少期過ごした高岡の記憶、手塚治虫作品と出会い漫画家を志してから、高岡での創作活動では未発表のデビュー作「天使の玉ちゃん」、ベン・ハーの漫画化などの作品が見られる。ペンネームの検討メモには、藤子不二雄に決まるまでの様々な案が記されているのが面白い。

上京後のコーナーには、愛用の帽子にカメラ、執筆の道具類がリアルに並ぶ。貴重な原画類も見られ、同じ原画が雑誌、コミック、そして電子書籍と、形を変えながら掲載されているのが分かる。吹き抜けを囲む回廊には、連載初期で今とはややスタイルが違うドラえもんの高岡銅器像が配され、藤子不二雄作品が閲覧できる漫画ライブラリーではベンチに座って漫画を読むことも。

グッズコーナーには漫画のコマを用いた絵葉書が人気で、形がそのままのドラえもんせんべい、さらに食べる姿が焼印されたどら焼きもお土産向きだ。