上越のローカルソウルフードと聞いてやってきたこちら、駅そばかと思ったら歩いて10分ほど、関川畔で車両基地にも面した、ともすれば殺風景な場所にある。なのに駐車場はクルマで埋まっており、店内はまさに働く人の食堂たる様相で、男ひとり客が黙々とすすっている。タクシー、運送系の方に混じり、鉄道の制服の方がいるのも、立地ならではだ。

創業70年のこの店、もとは直江津駅前にあり、製麺所を併設しているのは当時と変わらない。うどん、そばほか中華麺もつくっていて、そばつゆで食べる「かけ中か」が人気メニュー。自分は天そばにしたが、カツオたっぷりでとったつゆがめちゃくちゃうまく、玉ねぎとゲソ入りの天ぷらは衣がつゆに染みてふやけるのが早く、逆によく含んでいい味になる。値段も240円は、まさに製麺所価格。

直江津は泊まったり歩いたりしたことがない、乗り換え通過形の街なのだが、これで乗り換え時間に余裕を取る楽しみが、できたというものだ。