
このたび歩く街は、新潟県の高田。上越市の中心都市で、1614(慶長19)年に高田城が築城された際に整備された城下町で、市街を横断する奥州街道の宿場町でもある。
街中には当時から残る町家が多く軒を連ね、歩道に設けた覆い「雁木」が特徴的。高田平野は、国の「特別豪雪地帯」に指定されるほどの雪深い地なので、これはいわば生活道路だ。その総延長は16kmと日本一の長さが現存、現役で利用されている。玄関口の高田駅も、城郭の三重櫓を模した部分の下は、雁木風のアーケードになっている。上部にはステンドグラスが設けられ、柱は東京駅丸の内駅舎をイメージした赤煉瓦を模すなど、城下町にしてはハイカラな作りを見せている。
駅前通りにも現代風の、屋根が高い雁木が設けられている。木造りの店名看板に雰囲気にがあり、屋号の大黒様を絵にした大黒屋、銘菓の笹団子を描いた紅屋など。古物屋が駅前にあるのも歴史ある城下町らしく、ショーケースに並ぶ古道具から隣に目をやると,等身大の鉄人28号像にオールドミッキーといった、レトログッズも並んでいた。通りの要所には木製の標柱が立ち、旧町名などを記して城下町散策を盛り上げてくれる。